倦怠感とは疲れて、からだがだるい状態です。全身がけだるい、いつも疲れているような感じや、からだが重いなど、人によって表現の仕方はさまざまです。倦怠感は、程度の差こそあれ、日常誰もが経験する症状ですが、どこからが異常な倦怠感なのか、判別が難しいものです。判断基準の一つは「回復具合」です。
2〜3日休息しても治らなかったり、一時的に回復してもすぐにぶり返すようなら、何らかの病気の兆候と考えるべきでしょう。倦怠感は身体的な原因によるものばかりでなく、精神的なものも含まれます。つまり、長く続くだるさは身体や心からの警告と言えるのです。この記事では、だるさという症状の見分け方と、その裏に隠れていることがある原因、そして受診の目安や対策までを整理して解説します。
倦怠感は、身体的な疾患や精神的な病気、生活の乱れなどで引き起こされます。同じ「だるい」という症状でも、その背後にある原因は多岐にわたるため、伴う症状にも目を向けることが大切です。
▪️身体的な疾患によるもの
糖尿病や急性肝炎の初期に、最も多い自覚症状は倦怠感です。甲状腺機能低下症でも、発症してまもなくから倦怠感を覚えることが多いのですが、他にむくみ、気分の落ち込み、便秘、体重増加、寒さに弱くなるといった症状を伴うことがあります。急性白血病や消化器系のガンでは貧血を伴うことが多く、比較的早い時期から倦怠感が出現してしまいます。この他、腎臓疾患、心臓疾患、甲状腺機能障害、膠原病、肺結核、貧血、高血圧、慢性疲労症候群(筋痛性脳脊髄炎)、睡眠時無呼吸症候群、ビタミンB1欠乏症などでも倦怠感があらわれます。特に貧血は女性に多く、鉄分不足によって朝からだるさを感じるケースもよく知られています。
▪️精神的な原因によるもの
検査しても身体的な原因の見つからない場合には精神疾患が隠れている可能性があります。うつ病では倦怠感とともに無気力、気が重い、考えがまとまらないといった症状があります。不安神経症や心気症などの神経症、自律神経失調症、心身症、統合失調症、適応障害などでも倦怠感を感じます。病気と診断されなくても、精神的なストレスが強いと倦怠感が現れることがあります。ストレスのもとは人間関係、長時間のコンピューター操作、引っ越し、転職、子どもの自立などさまざまです。こうした心の症状が2週間以上続く場合は、心療内科や精神科への相談も検討しましょう。
▪️その他の原因
暑さ、睡眠不足、バランスの悪い食生活、過労などで倦怠感を覚えることがあります。睡眠薬や抗うつ剤など薬の副作用や喫煙、過度の飲酒も原因の一つです。女性の場合、月経前、月経中や妊娠によるホルモン分泌の変化、更年期障害が原因で、倦怠感が引き起こされることもあります。また、季節の変わり目や夏場の暑さによる、いわゆる夏バテも、だるさという症状を招く身近な要因です。
からだのだるさを感じたら、第一に十分な休養をとりましょう。休養をとりながら生活環境を見直し、原因と思われることを改善し、心身ともにリラックスするようにします。
それでも倦怠感が解消しないときは医療機関を受診し、問診や検査で原因を突き止めます。特に、だるさが長期間続く、休んでも回復しない、発熱・体重減少・動悸・むくみ・強い気分の落ち込みなど他の症状を伴う場合は、糖尿病や甲状腺の病気、肝炎、貧血、心臓の病気などが隠れている可能性があるため、放置せず早めの受診が勧められます。受診先に迷う場合は、まず内科で血液検査などを受けるのが一般的です。身体的な疾患が原因とわかれば、治療します。精神的な原因ならば、精神療法のほか、精神安定剤や抗うつ剤などを処方してもらって治療します。
心身ともに疲れすぎないよう、日ごろから十分な休養と睡眠をとるようにします。入浴や適度な運動でストレスを上手に解消することも心がけましょう。暴飲、暴食を避け、栄養バランスのよい食事をとることも大切です。特に糖質をエネルギーに変えるビタミンB1や、貧血を防ぐ鉄分などの栄養素は、だるさ対策の観点からも意識して摂りたいところです。
精神的なストレスをため込みやすいタイプの人は、心に負担を感じたら早めに解消できるように工夫しましょう。趣味の時間をつくる、信頼できる人に話す、睡眠リズムを整えるなど、自分なりのリセット方法を持っておくと、だるさという警告サインが大きくなる前に対処しやすくなります。
だるさは誰もが経験する症状ですが、2〜3日休んでも取れない・ぶり返す「長く続くだるさ」は、身体や心からの警告サインかもしれません。糖尿病や甲状腺の病気、貧血、うつ病など、背後に原因が隠れていることもあります。休養と生活改善で取れない場合や、他の症状を伴う場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。
※本記事は一般的な健康情報であり、診断・治療に代わるものではありません。気になる症状がある場合は医療機関にご相談ください。