食べる順番ダイエットとは?血糖値を抑える正しい順番をわかりやすく解説

ダイエットをしている方が犯しがちな間違いに、『むやみに摂取カロリーを抑え、たんぱく質や炭水化物の摂取量まで減らしてしまう』というものがあります。摂取カロリーを意識すること自体は間違いではありませんが、たんぱく質も炭水化物(糖質)も、私たちの体にとって非常に重要な栄養素です。極端に減らすのは、あまり好ましくありません。

たんぱく質は、筋肉をつくるために必要な栄養素であり、そのほか内臓・骨・脳・血液・毛髪などの形成にも関わっています。摂取量が少なくなると、筋肉量を維持できなくなるばかりか、基礎代謝量も低下し、結果的にかえって太りやすい体質になってしまいます。

一方、炭水化物(糖質)は、体を動かすためのエネルギー源であると同時に、脂肪を効率よく燃やすための「焚き付け役」も果たしています。また、脳の主要なエネルギー源でもあるため、最低限はしっかり摂る必要があります。

このように、ダイエットしたいからといって、むやみに炭水化物やたんぱく質を控えるのは、身体機能を損ない、健康を害するおそれがあるので注意が必要です。極端な糖質制限やたんぱく質不足は、集中力の低下、筋肉量の減少、便秘や肌荒れなどにつながることもあります。それでは、炭水化物やたんぱく質の摂取量を大きく減らすことなくダイエットを行うことは可能なのでしょうか?その一つの工夫が「食べる順番」を意識する方法です。

食べる順番ダイエットとは

ダイエットで一番難しいのは、実のところ『食べすぎを抑える』ことです。しかし、食事の食べる順番を少し変えるだけで、少ない量でも満足感が得られやすくなり、食後の血糖値の急上昇をゆるやかにできます。この方法を『食べる順番ダイエット』といいます。

食べる順番ダイエットとは、食事の際に食べる順番に気をつけることで、食後血糖値の急上昇(血糖値スパイク)を抑え、結果として余分な脂肪の蓄積を抑えようというものです。即効性のある方法ではありませんが、普段の食生活を大きく変えなくても、順番を意識するだけで取り入れられる手軽さが特徴です。もともとは糖尿病の食事療法として考案された「食べる順番療法」がベースになっており、血糖値の管理に役立つ方法として知られています。

食べる順番ダイエットの行い方

このダイエットの最大のメリットは、『普段の食生活を続けながら、食べる順番を意識するだけで取り入れられる』ことです。それでは、具体的にどのような順番で食べればよいのでしょうか。

①お茶や汁物など水分の多いもの

②食物繊維:野菜サラダなど

③たんぱく質:肉類や魚類

④炭水化物:パン、ご飯、めん類など

上の順番のように、まずはお茶や汁物など水分の多いものから食べ始めます。水分でお腹を落ち着かせたところで、次に食物繊維の多いもの(野菜や海藻類)を食べます。野菜に含まれる食物繊維、とくに水溶性食物繊維が、あとから入ってくる糖質の吸収をゆるやかにしてくれます。

その次にたんぱく質(肉・魚など)、そして最後に炭水化物、という順番で食べていきます。肉や魚を糖質より先に食べると、消化管からインクレチンというホルモンが分泌され、胃の動きがゆっくりになって、これも糖質の吸収を穏やかにします。こうして炭水化物を一番最後に摂ることで、食後血糖値の急上昇(血糖値スパイク)を抑えられるため、同じ食事量でも、脂肪としてため込まれにくくなると考えられています。

効果を高めるコツは、野菜を食べてから糖質を摂るまで少し時間差(15〜30分が目安)をつくること、そしてよく噛んでゆっくり食べることです。満腹中枢が働き始めるまでには15〜20分ほどかかるため、ゆっくり食べることで、少ない量でも満足しやすくなり、食べすぎ防止にもつながります。

ただし、注意点もあります。「食べる順番を変えるだけで必ず痩せる」と示した明確な研究結果は今のところ十分ではなく、これはあくまで血糖値の急上昇を抑え、食べすぎを防ぐための補助的な工夫と捉えるのが正確です。カロリーをまったく気にせず食べてよいわけではありません。効率よく健康的に痩せるには、食べる量を少し見直したうえで、食べる順番にも気をつける、という組み合わせがベストです。また、少食の方や高齢の方は、野菜でお腹がいっぱいになって必要なたんぱく質を摂りきれないこともあるため、体調に合わせて調整しましょう。

まとめ

食べる順番ダイエットは、「水分・汁物→野菜(食物繊維)→たんぱく質→炭水化物」の順で食べ、食後血糖値の急上昇を抑える食べ方の工夫です。ゆっくりよく噛み、野菜と糖質の間を少しあけるのがコツ。ただし順番を変えるだけで必ず痩せるわけではなく、食べすぎを防ぐ補助と考えましょう。たんぱく質・炭水化物は体に不可欠なので極端に減らさず、量も少し意識して組み合わせるのが健康的に痩せる近道です。

参考文献・出典

  • 吉祥寺みどり内科・消化器クリニック「食べ順ダイエットで痩せる正しい方法|血糖値を抑える順番とは?」https://sasaki-iin.jp/diet/
  • 吉祥寺通り花岡クリニック(管理栄養士コラム)「ベジファーストについて」(食べる順番療法・野菜→たんぱく質→糖質)https://www.hanaokaclinic.com/2024/08/02/
  • 産業保健新聞(ドクタートラスト)「ベジファースト、カーボラストは無駄だった?」(厚労省・食事摂取基準2020の記述と因果の限界)https://ailesplus.com/news/?p=58527

※本記事は一般的な健康・栄養情報です。糖尿病など持病のある方や、極端な食事制限を検討している方は、医師・管理栄養士にご相談ください。

編集長