LBM(除脂肪体重)と基礎代謝の関係とは?リバウンドしない正しいダイエットを解説

ダイエットを語るうえで欠かせないのが「LBM(除脂肪体重)」と「基礎代謝」の関係です。この2つを理解すると、なぜ食事を減らすだけのダイエットが失敗しやすいのか、どうすればリバウンドせず痩せられるのかが見えてきます。

LBM(lean body mass)とは、脂肪以外の組織の重さのこと。つまり、筋肉や骨、内臓などの総量をいい、日本語では除脂肪体重と訳されます。

除脂肪体重が多いということは、筋肉(骨格筋)の量が多いということでもあります。減量を行ううえでは、この除脂肪体重をできるだけ減らさないようにして、体脂肪を落としていくという考え方がとても重要になります。

なぜなら、もし除脂肪体重(=筋肉など)が減ってしまうと、基礎代謝が低下し、かえって太りやすい体質になってしまうからです。体重が落ちても、その中身が「脂肪」なのか「筋肉」なのかで、結果はまったく違ってくるのです。

LBMと基礎代謝の微妙な関係

先に述べたとおり、LBMの変化は基礎代謝と深く関わっています。私たちが生きていくには、必要最低限のエネルギーが欠かせません。心臓を動かす、呼吸する、体温を保つといった、身体機能を維持するために使われるエネルギー——それが基礎代謝です。

基礎代謝量には、身体の筋肉(除脂肪量)の多さが大きく関わっています。そのため、加齢に伴って筋肉量が減ると、基礎代謝量も低下していきます。「若い頃と同じ量しか食べていないのに、近頃すっかり体重が増えてきた」というのは、筋肉量が減って基礎代謝が下がってきたことが一因です。このように、LBMの減少は太る原因にもなるのです。

それでは、実際にあなたのLBMを計算してみましょう。LBMの求め方は次のとおりです。

LBM = 体重 -(体重 × 体脂肪率 ÷ 100)

例として、体重60kg・体脂肪率20%のAさんで計算してみます。公式に当てはめると、
60 -(60 × 20 ÷ 100)= 60 - 12 = 48kg
となり、AさんのLBM(除脂肪体重)は48kgであることが分かります。残りの12kgが体脂肪、というわけです。家庭用の体組成計でも体脂肪率は測れるので、ぜひ一度ご自分のLBMを把握してみてください。

ここで大切なことを確認しておきましょう。ダイエット=体重を減らすこと、ではありません。体重ではなく、余分な体脂肪を減らすことが、本当のダイエットです。食事の量を減らす・食事を抜くといった食事制限だけで、運動はしない——これは正しいダイエットのやり方とはいえません。

よく考えてみましょう。肥満の大半は、食生活の乱れや、体を動かさない生活(生活強度の低下)が主な原因ではないでしょうか。生活習慣の乱れが原因で太ってしまったのなら、その習慣そのものを改善しなければなりません。つまり、運動を生活に取り入れ、かつ食生活を見直していくことが、健康的に痩せるダイエットの基本なのです。

では、この基本を無視して、食事制限だけのダイエットを行うとどうなるでしょうか。お察しのとおり、先ほど計算したLBMの低下を招いてしまいます。食事だけを極端に減らすと、体はエネルギー不足を補おうとして筋肉を分解し、LBMが減ってしまうのです。さらに、摂取カロリーが急に不足すると、体は生命を守るために「省エネモード(ホメオスタシス機能)」に切り替わり、消費エネルギーを抑え、入ってきたものを脂肪としてため込みやすくなります。

LBMが減れば基礎代謝も下がるので、ダイエット前より太りやすい体質を、自分の手で作り上げてしまうことになります。これが、いわゆるリバウンドの正体です。一時的に体重が落ちても、やめたとたんに元以上に戻ってしまうのは、このためです。

正しいダイエットとは、LBM(筋肉など)を落とさずに、余分な脂肪だけを落とすこと。単に体重計の数字が減っただけで「ダイエット成功」と判断してはいけません。体重だけでなく、体脂肪率やLBM、見た目の変化もあわせてチェックしましょう。具体的には、たんぱく質をしっかり摂って筋肉の材料を確保し、筋トレで筋肉を維持しながら、有酸素運動と食事の見直しで脂肪を減らす——この組み合わせが、リバウンドしない王道です。極端な食事制限は避け、無理のないペースで続けることが、結局は一番の近道になります。

まとめ

LBM(除脂肪体重=筋肉・骨・内臓などの総量)は基礎代謝と深く関わり、LBMが減ると基礎代謝が下がって太りやすくなります。LBMは「体重-(体重×体脂肪率÷100)」で計算できます。食事制限だけのダイエットは筋肉(LBM)を落として代謝を下げ、リバウンドを招くので逆効果。たんぱく質をしっかり摂り、筋トレで筋肉を保ちながら、有酸素運動と食事改善で脂肪だけを落とすのが、リバウンドしない正しいダイエットです。

参考文献・出典

※本記事は一般的な健康・栄養情報です。持病のある方や極端な食事制限を検討している方は、医師・管理栄養士にご相談ください。

編集長