ちまたにあふれる減量法のウソ|サウナ・部分痩せの真実を解説

ちまたにあふれる、有名タレントや運動選手の減量法を、何の疑いもなく実践している人が大勢います。しかし、これらの減量法は、はたして本当に安全で効果的なのでしょうか。ここでは、よくある「減量法のウソ」を一つひとつ検証していきます。

まず、減量しようと熱いサウナに長時間入っている人をよく見かけます。おそらく、サウナに入れば脂肪を溶かせると思っているのでしょう。

確かに、脂肪組織に熱を加えれば脂肪は溶けます。しかし、人の体温の限界はせいぜい42℃前後で(体温計の目盛りも42℃までしかありません)、その程度の温度で体内の脂肪が溶けることはありません。

もし、体内の脂肪が溶けるほどの高熱を加えられたとしたら、それは人の死を意味します。つまり、サウナで汗をかいても、減るのは「水分」であって「脂肪」ではありません。サウナで一時的に体重が減っても、水分を補給すればすぐに元に戻ります。実際、サウナ1回でかく汗は平均300〜500ml程度で、減った体重のほとんどはこの水分です。

同じく、体にラップを巻いたり、ゴム・ビニール・ナイロン製のサウナスーツを着て激しい運動をし、汗を絞り出している人もいますが、これも脂肪が減るわけではありません。むしろ、脱水症状や、それに伴う循環器障害、熱中症(熱射病・日射病)など、様々な障害が起こりやすくなるので、やめましょう。研究でも、サウナスーツで発汗量は2〜3倍に増えても、消費カロリーの増加は1〜2割程度にとどまり、脂肪燃焼とは別物とされています。汗をかくこと自体は脂肪燃焼の指標ではないのです。なお、サウナには血行促進や代謝のサポートといった「痩せやすい体づくり」の間接的な効果は期待できますが、それは運動・食事と組み合わせてこそ。サウナ単体で脂肪が減るわけではありません。

マッサージ(塩もみなど)で痩せられる?

結論からいうと、マッサージで脂肪そのものを減らすことは、生理的にできません。

確かに、お腹の出た人が大型のマッサージ機のベルトをお腹に当てて20〜30分マッサージすれば、腹囲が4〜5cmほど小さくなることはあります。しかし、これは脂肪がなくなったのではありません。脂肪はとても柔らかい組織なので、マッサージの間はお腹の脂肪が上下どちらかに偏り、あたかもその部分の脂肪が減ったように見えるだけです。脂肪は移動しているだけなので、終わればすぐに元の位置に戻ってしまいます。

また、「部分痩せ(特定の部位だけ脂肪を落とすこと)」も、基本的にできません。脂肪は全身からエネルギーとして使われるため、「お腹だけ」「二の腕だけ」を狙って落とすことはできないのです。塩もみについても、皮膚に塩を塗り込むと、浸透圧のバランスが崩れて細胞内の水分が一時的に外に出るだけで、脂肪が減ったわけではありません。

「減量効果の高い即効薬」、本当に効果があるの?

「飲むだけで痩せる」とうたわれる成分についても見てみましょう。

■ サポニン
サポニンの語源は「シャボン(石けん)」です。一般に発泡剤や油脂の乳化剤として使われ、利尿作用を期待して使われることもあります。利尿作用は体内の水分を減らすので一時的に体重は減りますが、脂肪が減るわけではありません。油汚れはサポニンで落とせても、体内の脂肪を溶かすほど濃いサポニンを体に取り込むことはできません(それ以前に、そんなことをすれば体に有害です)。

■ 食物繊維
食物繊維は、腸にたまった内容物の排出を促し、便秘予防に役立ちます。腸内のものが出れば体重は減りますが、これも脂肪が減ったわけではありません。また、一部の清涼飲料水に含まれる液状の食物繊維(難消化性デキストリンなど)は、適量なら問題ありませんが、極端に摂りすぎるとお腹がゆるくなったり、栄養の吸収に影響したりすることがあるので、とりすぎには注意しましょう。

結局のところ、これらに共通するのは「一時的に水分や腸内のものが減って体重が落ちるだけで、脂肪は減っていない」ということ。脂肪を本当に減らすには、地道な運動と食事管理しかありません。

効率よく減量を行うためのコツ

脂肪を燃焼させるには、ウォーキングやエアロバイク、ランニングなどの有酸素運動(エアロビック・エクササイズ)が望ましいことは、よく知られています。ここでは、さらに脂肪燃焼を後押しするためのポイントを紹介します。簡単で誰でもすぐ実践できるので、試してみてはいかがでしょうか。

脂肪を燃やすには、脂肪を分解する酵素(ホルモン感受性リパーゼ)がきちんと働くことが大切です。この酵素の働きを助けるポイントとして、次の2つが挙げられます。

  1. こまめな水分補給で体のコンディションを保つ
  2. 十分なビタミンB群(とくにB2)の摂取

①について:運動中は汗で水分が失われます。水分が不足すると血液の循環が悪くなり、脂肪を運んで燃やす効率にも影響します。脱水を防ぐ意味でも、こまめな水分補給を心がけましょう(運動中の水分補給のコツは、別記事もあわせてご覧ください)。

②について:ビタミンB群、なかでもビタミンB2は脂質(脂肪)の代謝に関わる栄養素です。日頃から十分に摂っておくことで、脂質をエネルギーに変える働きをサポートしてくれます。ビタミンB2は、レバー・うなぎ・卵・納豆・乳製品・緑黄色野菜などに多く含まれます。食事から十分に摂れない場合は、栄養補助食品(サプリメント)で補うのも一つの方法です。ただし、ビタミンB2を摂れば痩せるというわけではなく、あくまで「運動・食事管理の土台があってこそ」という点はお忘れなく。

まとめ

ちまたの減量法の多くは「脂肪減」ではなく「水分減」にすぎません。サウナ・サウナスーツで汗をかいても、減るのは水分で脂肪ではなく、脱水のリスクも。マッサージや塩もみでの部分痩せもできず、利尿・繊維質も脂肪は減りません。脂肪を本当に減らすには、有酸素運動と食事管理の継続が王道。こまめな水分補給とビタミンB2を味方に、無理なく続けましょう。

参考文献・出典

※本記事は一般的な健康・栄養情報です。持病のある方、サプリメントの利用や減量に不安のある方は、医師や管理栄養士にご相談ください。サウナや発汗を伴う運動の際は、こまめな水分補給を心がけ、体調に異変を感じたら中止してください。

編集長