正しい目標体重の求め方|体脂肪率から無理なく計算する方法を解説

Q.正しい目標体重はどうやって求めればいいですか?

目標体重は、単に「○kgになりたい」と数字だけで決めるのではなく、体脂肪率を考慮に入れて決めるのが正しい方法です。『あのタレントが42kgだから私も42kgに』といった、他人の数字をそのまま当てはめる短絡的な決め方は禁物です。身長や骨格、筋肉量は人それぞれで、同じ体重でも体の状態はまったく異なるからです。

とくに女性は、体脂肪率が下がりすぎると女性ホルモンのバランスが崩れやすくなります。一般に体脂肪率が15%前後を下回ると無月経などの月経異常が起こりやすいとされ、健康を守るうえで体脂肪率は18〜20%程度を下限の目安と考えるのが安全です。

体脂肪率が極端に減ると、女性ホルモンの乱れ(無月経)だけでなく、体温調整がうまくいかない、内臓を守るクッションが不足する、抵抗力(免疫)が落ちる、骨密度が下がって将来の骨粗しょう症リスクが高まる、貧血を起こす、といった不調が現れやすくなります。脂肪は「悪者」ではなく、体に必要な役割を担っているのです。健康な体とは、筋肉と適度な脂肪がバランスよく配分された、均整のとれた体のこと。それを保ちたいなら、体脂肪率を考慮した体重設定をしましょう。

参考までに、日本人女性の体脂肪率は平均25%前後で、18〜39歳ではおおむね21〜34%が標準とされます(年齢で多少異なります)。「痩せ=美しく健康」ではなく、標準範囲を保つことが、長く健康でいるための土台になります。

目標体重の求め方

それでは、実際に目標体重を計算してみましょう。ポイントは、脂肪以外の部分(=除脂肪体重・LBM)はできるだけ維持したまま、脂肪だけを減らす前提で計算することです。目標体重は、体脂肪率を使った次の計算式で求めます。

目標体重 = LBM ÷ {1 -(目標体脂肪率 ÷ 100)}

LBM(除脂肪体重)が分からない方は、前のページ『LBM』を参照してください。「目標体脂肪率」は、文字どおり目指す体脂肪率のことです。先に述べたとおり、目標体重を求めるには体脂肪率を考慮に入れる必要があります。

上の表で見ると、モデルのAさんの場合は「中度の肥満」に該当するとします。そこでAさんは、いきなり体脂肪率15%を目標にしようとするのですが、これはおすすめできません。目標設定が高すぎるからです。目標は高い方が良いように思えますが、それは長期的な目標にとどめておくべきです。最初から無理な設定をすると、途中で挫折してしまいがちです。まずは達成しやすい短期的な目標を立て、成功体験を積み重ねていきましょう。減量のペースは、健康的には1か月あたり体重の5%以内(多くの人で月1〜2kg程度)が目安とされ、急激な減量は筋肉減少やリバウンド、体調不良を招きます。

ここでは例として、体脂肪率25.5%・体重63.9kgのBさんが、体脂肪率20%を目指す場合を計算してみます。

・現在の体脂肪量:63.9kg × 25.5% = 約16.3kg
・除脂肪体重(LBM):63.9kg - 16.3kg = 約47.6kg

これを計算式に当てはめると、
目標体重 = 47.6 ÷ {1 -(20 ÷ 100)} = 47.6 ÷ 0.8 = 約59.5kg

つまりBさんの場合、約4.4kgの減量が目標になります(これは、LBM=筋肉などを落とさずに脂肪だけを減らせた場合の計算です)。脂肪は1kgあたり約7,700kcalの熱量を持つので、4.4kgの脂肪を減らすには、計算上およそ33,880kcalのエネルギー消費(=摂取の削減+消費の増加の積み重ね)が必要になります。一見大きな数字ですが、1日あたり数百kcalの収支改善を続ければ、数か月で無理なく到達できるペースです。このように、LBMを考慮して目標体重を設定するのが、健康的で正しい方法なのです。

最後に大切なことを。これらはあくまで目安の計算であり、家庭用の体脂肪計の数値には誤差があります。数字に振り回されて極端な食事制限に走るのは逆効果です。月経が止まる・極端な疲労感がある・短期間で痩せすぎているといった場合は、目標体重に達していても健康的とはいえません。無理を感じたら、医師や管理栄養士に相談してください。

まとめ

正しい目標体重は、他人の数字を真似るのではなく、体脂肪率と除脂肪体重(LBM)をもとに「目標体重=LBM÷{1-(目標体脂肪率÷100)}」で求めます。女性は体脂肪率が下がりすぎると無月経や骨密度低下などのリスクがあるため、18〜20%程度を下限の目安に。まずは達成しやすい短期目標から、月1〜2kgペースで無理なく。月経が止まるなど不調があれば、目標未達でも医師に相談しましょう。

参考文献・出典

※本記事は一般的な健康・栄養情報であり、診断・治療に代わるものではありません。月経不順や急激な体重変化、強い疲労感がある方、持病のある方は、自己判断で減量を進めず、医師や管理栄養士にご相談ください。

編集長