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結論からいうと、週1回の運動でも「やらないよりは確実に効果はある」けれど、「体力や筋力をしっかり向上させたいなら、やや物足りない」というのが実際のところです。何を目的にするかで答えが変わります。
身体を使わないでいると体力はどんどん低下していきます。低下すると日常生活にいろいろと支障が出てくるので、そうならないように私たちはトレーニングをするのです。それでは週1回の運動で十分に穴埋めができるかというと、目的によっては足りないこともあります。
現代人の運動不足の量は、思いのほか大きいものです。健康維持や「運動習慣ゼロからの一歩」としてなら、週1回でも始める価値は十分にあります。実際、まったく運動していなかった人が週1回体を動かすようになるだけでも、気分転換や血行促進、体力維持にプラスに働きます。最近の研究では、1回あたりの運動量をしっかり確保すれば、週1回でも一定の健康効果が得られることも示されています。「週1回しかできないからやらない」より、「週1回でもやる」方がずっと良いのです。
ただし、筋力や持久力をはっきり向上させたい、体型を変えたいといった明確な目的がある場合は、週1回では刺激の頻度が足りず、効果が出るまでに時間がかかります。筋肉や体力は「適度な刺激→回復→向上」を繰り返して高まっていくため、その間隔が空きすぎると伸びにくいのです。そのため、しっかり効果を求めるなら、少なくとも週2〜3回を目安に行うのが理想です。まずは週1回から始め、慣れてきたら回数を増やしていく、という進め方でも構いません。大切なのは、無理なく続けられる範囲でコツコツ継続することです。
私たちの身体活動には、エネルギーの供給が欠かせません。このエネルギーを生み出す方法には、酸素を必要とする「有酸素系」と、酸素を必要としない「無酸素系」の2つがあります。このうち有酸素系の仕組みは、酸素の供給が続くかぎり、長時間運動を持続できるのが特徴です。
スタミナ(全身持久力)づくりのためには、大気中の酸素をできるだけ多く取り込む能力(酸素摂取量)を高めることが欠かせません。そのためのトレーニングが『有酸素運動(エアロビックエクササイズ)』です。代表的なものに、ウォーキング、ジョギング、水泳、サイクリングなどがあります。いずれも、大きな筋肉をリズミカルに、ある程度の時間続けて行う運動です。有酸素運動は、心肺機能の向上や体脂肪の燃焼、生活習慣病の予防など、健康面で多くのメリットがあります。会話ができる程度のやや息が弾む強度で行うのが、続けやすく安全です。
オーバートレーニング(オーバートレーニング症候群)とは、トレーニングによる疲労が回復しないまま積み重なり、慢性的な疲労状態に陥ってしまうことをいいます。一度の運動で疲労困憊する「オーバーワーク」とは異なり、回復が追いつかない状態が続くのが特徴です。競技選手だけでなく、健康のために運動を頑張っている一般の方にも起こり得ます。
主な症状としては、全身の倦怠感、疲労がなかなか抜けない、競技成績やトレーニングの調子の低下、食欲不振、睡眠障害(寝つきが悪い・眠りが浅い)、安静時の心拍数や血圧の上昇、意欲の低下、イライラ、抑うつ的な気分などがあります。また、免疫機能が低下して風邪などの感染症にかかりやすくなるのも代表的なサインです。原因不明の不調や競技力の低下が続く場合は、オーバートレーニングを疑う必要があります。
早期発見には、起床時の心拍数のセルフチェックが有効です。疲労がたまると起床時の心拍数が増える傾向があり、ふだんより1分間に10拍以上多い日が続くようなら要注意です。対策の基本は、何より休養です。トレーニングを控えて体をしっかり休め、バランスの良い食事(ビタミンB群・Cなど)と十分な睡眠をとりましょう。症状が重いと回復に数週間〜年単位かかることもあるため、早めの対応が肝心です。改善しない場合や症状が強い場合は、スポーツドクターなど専門医に相談してください。
筋肉痛には、運動中〜直後に感じるものと、運動の1〜2日後に出てくるものがあります。
運動中や直後に感じる、いわゆる「張り」や疲労感は、激しい運動で筋肉内の環境が一時的に変化することなどによるものです。よく「乳酸がたまるから筋肉痛になる」と言われてきましたが、近年の研究では、乳酸そのものが筋肉痛の直接の原因ではないことが分かっています(乳酸はむしろエネルギー源として再利用されます)。
一方、運動の1〜2日後に出てくる筋肉痛は『遅発性筋痛(DOMS)』と呼ばれ、筋線維に生じた微細なダメージ(部分的な損傷)と、それに伴う炎症反応が原因と考えられています。特に、筋肉が引き伸ばされながら力を発揮する動作(伸張性収縮)で起こりやすく、階段や山を下りる動作、ダンベルをゆっくり下ろす動作などが代表例です。遅発性筋痛は筋肉が回復・適応していく自然な過程の一部ですが、痛みが強いときは無理をせず、その部位を休ませましょう。
ごく軽い症状を除いて、風邪のときはトレーニングを中止するのが原則です。「運動すれば治る」と考える人もいますが、それは精神的な満足感を得るだけで、回復にはむしろ逆効果になりかねません。
風邪をひくと、酸素を取り込む肺の機能が低下し、軽い運動でも心拍数が上がりやすく、心肺に負担がかかります。関節や筋肉の節々が痛むこともあるように、全身にも影響が及びます。とくに発熱しているときの運動は、脱水や症状の悪化、まれに心臓への合併症(心筋炎など)を招く危険があるため、絶対に避けてください。
運動を中止すべき目安としては、①発熱がある、②強い全身の倦怠感がある、③強い頭痛がある、④のどの強い痛みがある、といった症状が挙げられます。判断の目安として、症状が「首から上」だけ(軽い鼻づまり・軽いのどの違和感程度)で、発熱や全身症状がなければ、軽い運動なら様子を見ながら可能とされることもあります。一方、首から下の症状(発熱・全身のだるさ・咳・筋肉痛など)があるときは休むのが安全です。いずれにせよ無理は禁物で、回復を最優先に、しっかり休んで治してから運動を再開しましょう。
週1回の運動でも「やらないより確実にプラス」ですが、体力・筋力をしっかり高めたいなら週2〜3回が理想です。まずは週1回から始め、慣れたら増やすのが現実的。有酸素運動はスタミナづくりに有効で、無理なく続けることが大切です。疲労が抜けない・風邪をひきやすいなどはオーバートレーニングのサインなので休養を。筋肉痛は乳酸ではなく筋線維の微細損傷が主因です。発熱や全身症状があるときは運動を休みましょう。
※本記事は一般的な健康・運動情報です。発熱・体調不良時や持病のある方は、運動の可否について医療機関にご相談ください。