【Q&A】スーパーサーキットとはどんなエクササイズ?やり方と効果をわかりやすく解説

Q.スーパーサーキットとはどんなエクササイズなんですか?

スーパーサーキットの正式名称は「スーパー・サーキット・ウエイト・トレーニング」です。ひとことで言うと、筋力トレーニングと有酸素運動を、休憩をはさまずに交互に繰り返すトレーニング法です。

これは「有酸素運動(エアロビクス)の父」とも呼ばれるケネス・H・クーパー博士の研究所スタッフによって開発されたエクササイズです。スーパー・サーキットには、全身持久力(スタミナ)と全身の筋力を同時に養うという効果があります。

具体的には、AとBという2種類の運動をペアにし、そのペアを10組ほど用意します。Aでは全身持久力を高める運動(その場での足踏みやステップなどの有酸素運動)、Bでは筋力を高める運動(ウエイトトレーニングなどの筋トレ)を行います。AとBをそれぞれ30秒間ずつ行い、休みを取らずにすぐ次のペアへ移っていきます。これを最後まで続けるのが基本の流れです。

最大の特長は、休憩を入れずに動き続ける点にあります。これにより心拍数が高いまま維持されるため、筋力アップだけでなく有酸素的な効果(脂肪燃焼・持久力向上)も同時に得られ、短時間で効率よく全身を鍛えられます。ダイエットや体力づくりにも向いた方法です。ただし、運動量が多く強度も高めなので、初心者の方は種目数や時間を減らす、重量を軽くするなど、無理のない範囲から始めましょう。心臓に負担がかかりやすいため、持病のある方は事前に医師に相談し、運動の前後にはウォームアップとクールダウンを行ってください。

Q.キネシオロジーってなんですか?

「キネシ」は動き、「オロジー」は学問を意味します。つまりキネシオロジー(kinesiology)とは、人の身体の動きを分析する学問のことで、日本語では「運動学」と訳されます。

よく似た言葉に『バイオメカニクス(生体力学)』があり、両者は基本的に近い学問と考えてよいのですが、正確には少し違いがあります。バイオメカニクスが主に物理学的な「動きの分析」に重点を置くのに対し、キネシオロジーは「動きの分析」に加えて、その分析を傷害(ケガ)の予防やパフォーマンス向上に活用するという、より実践的・応用的な視点を含んでいます。こうした実用性から、近年のスポーツやリハビリ、トレーニングの現場では、キネシオロジーという名称がよく用いられています。フォームの改善やケガの予防を考えるうえで、土台となる学問といえます。

Q.除脂肪体重とはなんですか?

除脂肪体重(LBM:lean body mass)とは、文字どおり、全体重から脂肪だけを取り除いた重さのことです。脂肪を除くと、身体には筋肉・骨・内臓・水分などが残り、その合計が除脂肪体重にあたります。

除脂肪体重が増減するのは、主に身体の中の筋肉量が変化するためです。一般に、除脂肪体重が増えれば筋肉が増えたこと、減れば筋肉が減ったことを意味します(厳密には水分量の変動なども影響します)。そのため、ダイエットや筋トレの成果を正しく評価するには、体重だけを見るのではなく、除脂肪体重や体脂肪率の変化に注目することが大切です。例えば、体重が変わらなくても、除脂肪体重が増えて体脂肪が減っていれば、体は引き締まり、太りにくい体質に近づいているといえます。極端な食事制限で体重を落とすと、脂肪だけでなく筋肉(除脂肪体重)まで減ってしまい、かえってリバウンドしやすくなるため注意しましょう。

Q.腹筋運動を行うときに、息を吐きながら行うと効果的なのですか?

結論からいうと、本当です。ひとくちに腹筋といっても、お腹にはさまざまな筋肉があります(腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋など)。

表層にある腹直筋を鍛えるには体幹(胴体)を前に曲げる屈曲動作が、外腹斜筋・内腹斜筋を鍛えるにはそれに加えて体をひねる動作が必要です。しかし、最も深層にある腹横筋(ふくおうきん)は、通常の腹筋運動(体を起こす動作)だけでは効かせるのが難しい筋肉です。

そこで役立つのが「息を吐く」動作です。腹筋運動を行うときに、下腹部が膨らまないようにお腹をへこませながら(息をしっかり吐きながら)行うと、腹横筋を間接的に鍛えることができます。腹横筋は天然のコルセットのようにお腹を取り巻いており、主に腹腔内圧(おなかの中の圧力)を高める働きを持ち、排便や姿勢の保持、腰部の安定・保護などに関わる重要な筋肉です。お腹をへこませて数秒キープする「ドローイン」という方法でも、この腹横筋を効率よく鍛えられ、体幹の安定や腰痛対策にも役立つとされています。なお、腰や持病に不安がある場合は、無理のない範囲で行ってください。

Q.スポーツ心臓とはなんですか?

スポーツ心臓とは、主に持久系のスポーツ(マラソン、自転車、水泳など)を長期間続けている競技者にみられる、心臓が大きく発達した状態のことをいいます。

昔は「スポーツのやりすぎで起こる病気」と考えられていた時期もありましたが、今日では、長年の運動による生理的な適応(体が運動に合わせて作り変えられた結果)であり、心臓のポンプとしての能力を高める良い変化であると理解されています。1回の拍動で送り出せる血液量が増え、安静時の心拍数が少なくなる(スポーツ心臓の人は安静時心拍数が低い傾向)など、効率の良い心臓になっているのです。これは、心臓の病気で心臓が大きくなる「病的な心肥大」とは別ものとされています。

ただし、運動による生理的なスポーツ心臓と、注意が必要な病的な心肥大は、見分けが難しい場合もあります。激しい運動中の動悸・息切れ・胸の痛み・失神などの症状がある場合は、自己判断せず、循環器内科などで検査を受けることが大切です。健康診断などで心臓の所見を指摘されたときも、一度医師に相談すると安心です。

まとめ

スーパーサーキットは、筋トレと有酸素運動を休まず交互に行うトレーニングで、持久力・筋力・脂肪燃焼を同時に狙える効率的な方法です(クーパー博士の研究所発祥)。あわせて、キネシオロジーは動作分析をケガ予防に活かす学問、除脂肪体重は筋肉量の指標、腹横筋は息を吐きながら鍛えると効くこと、スポーツ心臓は運動による良い適応であることも押さえておきましょう。強度の高い運動は無理せず、不安があれば医師に相談を。

参考文献・出典

※本記事は一般的な健康・運動情報です。胸の痛みや動悸などの症状がある方、持病のある方は、運動前に医療機関にご相談ください。

編集長