【Q&A】ウエイトトレーニングを何年もやっても効果が出ない…原因と見直すポイント

Q.ウエイト・トレーニングをもう何年もやっているのですが、効果があまりみられません。

何年も続けているのに効果が出ない――これはトレーニングに真面目に取り組んでいる人ほど直面しやすい悩みです。原因はいくつか考えられますが、まず見直したいのが『運動強度』です。トレーニングを行ううえで大切な条件は様々ありますが、中でもこの運動強度(負荷)が、効果が出るかどうかを大きく左右します。

そもそもトレーニングとは、現代の日常生活で身体を使う機会が少なくなり、放っておくと体力が衰えてしまうため、そのつじつま合わせとして行うものです。

つまりウエイト・トレーニングとは、日常生活では体験しないような大きな負荷(運動強度)を身体に刺激として与えることによって、機能や形態の向上を促すものです。
日常生活で扱っている以上の負荷を用いないことには、筋力の向上はあり得ません。

具体的にいうと、筋肥大を目的とする場合は『10回前後でぎりぎり反復できる重量(10RM程度)』を扱うのが一つの目安です。軽すぎる重量で楽に何十回もこなせているなら、刺激が足りず効果が頭打ちになっている可能性があります。何セット行うかは目的や経験によりますが、初心者は1〜2セットから始め、慣れてきたら徐々に増やしていくとよいでしょう。(筋力アップ・筋肥大・持久力など、目的によって扱う重量や回数・セット数は変わります)

そして、長く続けている人が陥りやすいのが、いわゆる停滞期(プラトー)です。これは、同じメニュー・同じ負荷を続けるうちに筋肉や神経がその刺激に「慣れて」しまい、成長が頭打ちになる時期のこと。多くの人が筋トレを始めて数か月で一度経験するといわれます。これを抜け出す鍵が、漸進性過負荷(オーバーロード)の原則です。これは「少しずつ負荷を上げていく」という考え方で、扱う重量を少し増やす、回数やセット数を増やす、種目やフォーム・テンポを変えるなどして、筋肉に新しい刺激を与え続ける必要があります。何年も同じ重量・同じ種目のままなら、まずここを疑ってみましょう。

かつてアメリカのボディビル界では『ノーペイン・ノーゲイン(痛みなくして得るものなし)』という言葉が有名でしたが、現在の運動科学では、翌日の筋肉痛の有無は、トレーニング効果の正確な指標ではないと考えられています。筋肉痛が出なくても、適切な負荷を漸進的にかけていれば筋肉は成長します。逆に、激しい筋肉痛や関節の痛みを我慢して追い込むことは、ケガや慢性的な障害につながるためおすすめできません。「痛みを目安にする」のではなく、「扱える重量・回数が少しずつ伸びているか」を成長の目安にしましょう。

また、効果が出ない原因はトレーニングの中身だけとは限りません。長く続けても発達がみられない場合、次のような「トレーニング以外の要素」も合わせて見直してみてください。

① 栄養(特にたんぱく質とエネルギー)の不足
筋肉は、その材料となるたんぱく質がなければ大きくなりません。トレーニングをしっかりこなしていても、たんぱく質や全体のエネルギー(カロリー)が不足していると、筋肉は育ちにくくなります。食事を基本に、必要に応じてプロテインで補い、極端な食事制限と筋肥大を同時に狙わないことが大切です。

② 休養・睡眠の不足
筋肉はトレーニング中ではなく、休んでいる間(特に睡眠中)に修復・成長します。同じ部位を毎日追い込んだり、睡眠不足が続いたりすると、回復が間に合わず、かえって成長を妨げます。同じ部位のトレーニングは中2〜3日ほど空け、十分な睡眠をとりましょう。慣れてきた頃に意図的に負荷を落とす「デロード」を取り入れるのも有効です。

③ フォームの崩れ
重量を追うあまりフォームが崩れると、狙った筋肉に効かず、効果が出にくいばかりかケガの原因にもなります。重量を上げても効果を感じないときは、一度重量を落として、正しいフォームで対象の筋肉を意識して動かせているか確認しましょう。

まとめると、何年もやって発達がないのであれば、まずは扱っている重量が適切か(軽すぎないか)を疑い、そのうえで漸進的に負荷を上げているか、栄養・休養・フォームに問題がないかを順に見直していくことが、停滞を抜け出す近道です。それでも改善しない場合や、痛みがある場合は、専門のトレーナーや医療機関に相談すると良いでしょう。

まとめ

ウエイトトレーニングを何年やっても効果が出ないときは、まず運動強度=扱う重量が適切か(10回前後でぎりぎりの重量か)を見直しましょう。同じメニューを続けると停滞期(プラトー)に陥るため、漸進性過負荷の原則で少しずつ負荷や刺激を変えることが重要です。さらに、たんぱく質・休養・睡眠・フォームといった土台も鍵。なお、筋肉痛の有無は効果の指標ではないので、痛みを我慢して追い込む必要はありません。

参考文献・出典

※本記事は一般的なトレーニング情報です。痛みや体調不良がある場合、持病のある方は、運動前に専門家や医療機関にご相談ください。

編集長