【Q&A】運動によるダイエットについて教えてください|有酸素・筋トレの組み合わせ方を解説

Q.運動によるダイエットについてお教えていただきたいのですが ?

運動によるダイエットは、有酸素運動と無酸素運動(筋トレ)の両方を取り入れると効果的だと言われています。それぞれ役割が異なるため、組み合わせることで相乗効果が期待できます。

無酸素運動とは、腕立て伏せや腹筋、懸垂などのウエイトトレーニング(筋トレ)のことです。

筋肉量が少ない人より筋肉量が多い人のほうが、基礎代謝量が多く、脂肪が燃焼しやすく太りにくい体質なのが特徴です。しかし、無酸素運動自体は脂肪を直接燃焼させているわけではないので、脂肪燃焼のためにはウォーキングやランニング、サイクリング、水泳などの有酸素運動を行います。

つまり、筋トレで筋肉量を増やして「脂肪が燃えやすい土台(基礎代謝の高い体)」をつくり、有酸素運動で実際に脂肪を燃やす、という役割分担です。両方を組み合わせることで、効率よく体脂肪を減らしていけます。

一昔前まで「有酸素運動は20分以上続けないと脂肪が燃焼しない」と言われていましたが、これは誤解で、5分程度の短時間の有酸素運動でも脂肪は燃焼されます。近年は、細切れの運動でも合計時間が同じなら効果が期待できるとされています。とはいえ、しっかり効果を得るには、ある程度まとまった時間、有酸素運動を行うのが望ましいでしょう。初心者の方は、まず有酸素運動を15分以上、無酸素運動を15分くらいを目安に始めると良いでしょう。慣れてきたら、自分の体力に合わせて少しずつ時間や強度を増やしていきます。なお、運動の順番としては、先に筋トレを行ってから有酸素運動をすると、脂肪が燃えやすくなるとも言われています。

Q.ダイエットしても体重があまり減りません。

まず知っておきたいのは、体脂肪はそう簡単には減らないということです。体脂肪は1kgあたり約7,200kcalのエネルギーに相当します。例えば1日に2,000kcal消費する人が3日間完全に断食しても、計算上は1kgの脂肪も減りきりません。また、フルマラソン(42.195km)で消費するカロリーは、体重60kgの人でおよそ2,500kcal程度とされ、2回完走しても脂肪1kg分には届きません。それほど、体脂肪は簡単に減るものではないのです。(※断食やフルマラソンは例えであり、実践を勧めるものではありません)

ですから、少しダイエットした程度では、体重計の数字にすぐ反映されないのは当然のことです。体重計には誤差もありますし、短期間では「変化なし」と表示されることもあります。でも安心してください。少しずつではあっても、適切な食事と運動を続けていれば、体は着実に変わっていきます。ダイエットは継続が大切と言われる理由がここにあります。毎日の体重測定で一喜一憂せず、1〜2週間や1か月単位での変化、そして体脂肪率や見た目・服のサイズの変化を目安にしましょう。なお、極端な食事制限は筋肉量の低下や体調不良を招き、かえって痩せにくくなるため避けてください。

Q.無理な運動をすることなく、生活習慣からダイエットできる方法がありましたら是非教えてください。

激しい運動が難しい方は、まず「睡眠」と「日常の活動量」を見直すのがおすすめです。

私たちは寝ている間にも、呼吸や体温維持、細胞の修復などのためにエネルギーを消費しています。特に、睡眠中に分泌される成長ホルモンには、脂肪の分解を促したり筋肉の修復を助けたりする働きがあります。質の良い睡眠で成長ホルモンがしっかり分泌されることは、太りにくい体づくりを後押ししてくれます。逆に睡眠不足は、食欲を高めるホルモンのバランスを乱し、太りやすくする一因になることも知られています。「よく眠ること」は、無理なくできるダイエットの土台なのです。

ここで一つ、よくある誤解を正しておきます。「22時〜深夜2時(3時)が成長ホルモンのゴールデンタイム」という説を聞いたことがあるかもしれませんが、これは医学的には正確ではありません。最新の研究では、成長ホルモンの分泌は時刻で決まるのではなく、入眠後の最初に訪れる深いノンレム睡眠の質によって決まるとされています。つまり、何時に寝るかよりも、「寝入りばなにいかに深く眠れるか」が重要なのです。深い眠りを得るために、夕食は就寝の3時間前までに済ませ、寝る前はスマホなどの強い光を避け、入浴で体を温めておくといった工夫が役立ちます。あわせて、エレベーターより階段を使う、一駅歩くなど、日常の活動量を少し増やすことも、無理のないダイエットにつながります。

Q.メタボなお腹を引っ込めるにはどうしたら良いですか?

残念ながら、お腹の脂肪だけをピンポイントで燃焼させるトレーニングは存在しません。脂肪は特定の部位だけでなく、全身から少しずつ減っていくからです。ですから、有酸素運動やカロリーコントロールで全身の脂肪を燃焼させながら、お腹の脂肪が減っていくのを待つことになります。気長に、でも確実に小さくなっていくお腹を楽しみにしましょう。

そのうえで、腹筋運動を取り入れてください。これは「お腹の脂肪を直接燃やす」ためではなく、お腹まわりの筋肉を鍛えて引き締めるためです。メタボの方はお腹の筋力が弱っていることも多く、腹筋を鍛えることで、たとえ脂肪がまだ残っていてもお腹が引き締まって見える効果が期待できます。筋トレは通常、同じ部位は日数をあけて行うのが効果的ですが、腹筋は比較的回復が早いため、強い筋肉痛がなければ毎日行っても構いません。いずれにしても継続が大切なので、無理のない回数からスタートしましょう。あわせて、内臓脂肪は食生活の影響が大きいため、食べ過ぎや脂質・糖質の摂りすぎを見直すことも重要です。なお、お腹まわりが急に大きくなった、強い不調を伴う場合は、生活習慣病の観点から一度医療機関で相談すると安心です。

Q.寝ても寝ても疲れがとれないのはなぜ?

しっかり寝ているはずなのに疲れが取れない場合、睡眠の「量」ではなく「質」が下がっている可能性があります。原因として、いくつか考えられるものを挙げます。

ひとつは、食事の時間が遅すぎることです。寝る直前に食べると、睡眠中も消化器官が消化活動を続けてしまい、内臓が十分に休めず、深い眠りが妨げられます。夕食はできれば就寝の3時間前までに済ませ、寝る前の2時間ほどは飲食を控えるのが理想です。

もうひとつは、就寝前のスマホ・パソコンの使用です。寝る前に強い光(ブルーライト)を浴びると、眠りを促すホルモンの分泌が妨げられ、寝つきや睡眠の質が低下しやすくなります。就寝前の1〜2時間は、電子機器の強い光を避けるとよいでしょう。

そのほか、枕やマットレスなどの寝具が体に合っていない、就寝前のカフェインやアルコール、運動不足、ストレスなども、睡眠の質を下げる要因になります。生活習慣を見直しても改善しない、強い眠気や倦怠感が続くといった場合は、睡眠時無呼吸症候群など別の原因が隠れていることもあるため、医療機関に相談することをおすすめします。

まとめ

運動によるダイエットは、筋トレ(無酸素運動)で太りにくい体の土台をつくり、有酸素運動で脂肪を燃やす組み合わせが効果的です。体脂肪は簡単には減らないので、体重の数字より体脂肪率や見た目の変化を目安に、継続を重視しましょう。睡眠の質を高めることも大切ですが、「22時〜2時のゴールデンタイム」は俗説で、実際は入眠後の深い眠りが鍵。部分痩せはできないため、全身の運動と食事の見直しを基本に、無理なく続けることが成功への近道です。

参考文献・出典

※本記事は一般的な健康・運動情報であり、診断・治療に代わるものではありません。持病のある方や体調に不安のある方は、運動・食事の変更前に医師にご相談ください。

編集長