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現代社会において、ストレスが全くないということは考えられないくらい世にストレスが満ち溢れています。
日本では過労死などの問題が顕著になってきて以来、ストレスが注目されるようになってきました。
ストレスとは本来、工学や物理学などの分野で使われていた用語で、ある物質に外圧がかかった時に、その内部に起こる『歪み』のことを指しています。

ストレス学説を唱えた生理学者セリエは『外界からあらゆる需要に対する非特異的な反応』が生理学的ストレスであると定義しています。ここでの『外界からの需要』とは『人に対してストレスを与えるもの』のことで、『ストレッサー』と呼ばれています。

例えば、仕事における失敗、寝不足、結婚など良いことも含めて、あらゆるできごとがストレッサーになる可能性があります。
また、このストレッサーに関しては個人差があり、ある人にとっては何ともないできごとでも、他の人には脅威的なストレッサーになることもありうるのです。
このことからストレッサーがそのままストレスとして受け止められているのではなく『ストレッサー+その人のストレッサーに対する感じ方=ストレス』という公式でストレスは成り立っているのです。
また、ストレスと聞くと、歓迎されない現象としてのイメージが強いと思いますが、体脂肪と同様で全くないと人は生きていけません。
ストレスが強すぎたり、弱すぎたり、また過度なストレスが長期に渡って続いた時にのみ、害をもたらしますが、適度であれば、むしろ人の成長や生活の質の向上にも役立つともいわれています。

自律神経の働き

人体内には無意識の生理的活動(心拍数・血圧など)を支配する自律神経というものがあり、更に自律神経は交感神経と副交感神経とがあります。
この二つの神経は車のアクセルとブレーキのような関係で交感神経(アクセル)は人体を活発にさせる働き(血圧を上げる、呼吸数を増やすなど)があり、副交感神経(ブレーキ)は活発化された人体を元の状態に戻す働き(血圧を下げる、呼吸数を減らすなど)があります。
ストレスがかかるとまず交感神経が活発化し、数種類のホルモンを分泌して、血圧を上げたり、心拍数を増加することによって人体を守ろうとします。
長時間に渡る過度なストレスはこの交感神経を常に活発化させてしまうので、高血圧症などに繋がってしまう恐れがあります。
この状態を元に戻す役割を担うのが副交感神経なのです。
このことから分かるようにトレーニングによって血圧、心拍数などが上がるのは交感神経の働きであり、それを元に戻すのは副交感神経の役目なのです。
この一連の過程を繰り返すことにより副交感神経の働きが強化され、人体のストレスに対する耐性が高まるのです。
定期的なトレーニングは車のブレーキがよく効くようにするための修理のようなものと理解するのが分かりやすいかもしれません。

適度な運動強度とは

このような効果を得るためには、適度な強度でトレーニングを行うことが大切です。
ストレスに関する研究では最大心拍数の40~70%の強度が最も良いといわれており、これは生理学の研究でいわれているものと同じ強度になります。
しかし、気をつけていただきたいのは強度が高いほど良いというわけではなく、あくまでも皆さんが気分良くトレーニングが続けられる強度で有酸素運動を行うということなのです。
高すぎる強度でのトレーニングはそれ自体がストレッサーとなってしまいます。
特に健康維持・増進・ストレス解消が目的の方はこのことに気をつけてトレーニングを行うと良いでしょう。

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運営者情報


当サイトの編集長の佐藤伸一(さとうしんいち)です。
都内でトレーナーとして約20年活動し、その後、カイロプラクターとして約10年活動していました。
現在はフリーランスで活動していて主に健康や運動に関する情報を発信しています。

公式サイト:
https://shinichi-sato.info/

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