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有酸素運動の運動処方とは?カルボーネン法で目標心拍数を求める方法

体脂肪率を増やさないために有酸素運動が大切なことは、もはや周知の事実でしょう。有酸素運動には、体脂肪の燃焼以外にも、スタミナ(全身持久力)の向上、血液循環の促進、骨密度の低下の予防など、様々な健康効果があります。
そして、この有酸素運動を安全かつ効果的に行うためには、自分に適した『運動強度』『運動時間』『運動頻度』を決めること——すなわち「運動処方」が重要になります。なかでも最も大切なのが、運動強度の設定です。
運動強度の求め方
有酸素運動が安全で効果的であるための運動強度は、最大強度(最大酸素摂取量)を100%とした場合の50〜85%が適切とされています(アメリカスポーツ医学会=ACSMの基準)。
とはいえ、運動中に酸素摂取量を測るのは現実的ではありません。そこで、手軽な指標として心拍数を使います。運動強度を心拍数で表すには、最大心拍数(220-年齢)から安静時心拍数を引き、その値に0.5〜0.85を掛け、さらに安静時心拍数を加えます。この計算方法を『カルボーネン法』と呼びます。以下に、詳しい手順を記載します。
- 最大心拍数を求めます:220 - 年齢(歳)
- 安静時心拍数を測定します:椅子などに腰掛けて5分ほど休んだあと、人差し指・中指・薬指をそろえて手首の橈骨動脈(とうこつどうみゃく)に軽く触れ、1分間の脈拍を数えます(15秒測って4倍、でもOKです)。できれば朝起きてすぐの安静時に測るのが理想です。
- 目標心拍数を求めます。
そのときの計算式(カルボーネン法)は、次のとおりです。
目標心拍数 =(最大心拍数 - 安静時心拍数)× 運動強度(0.5〜0.85)+ 安静時心拍数
ここで、例題を一つ出しますので、自力で目標心拍数を求めてみてください。
【問題】年齢30歳の人に75%強度の運動を行わせるときの目標心拍数を求めよ。ただし、安静時心拍数は60拍とする。
【解答】
まず、30歳の人の最大心拍数は、220-30=190拍です。
次に、最大心拍数から安静時心拍数を引いて「予備心拍数(最大心拍予備量)」を求めます。190-60=130拍。
ここに75%の運動強度を掛けます。130×0.75=97.5拍。
最後に、この値に安静時心拍数を加えます。97.5+60=157.5。
よって、答えは157.5拍/分となります。
運動強度の目安は、目的や体力によって使い分けます。脂肪燃焼や減量が目的なら40〜60%程度、持久力(心肺機能)の向上が目的なら70〜80%程度が一つの目安です。体力レベルでいうと、高年齢・低体力の方は40%前後、一般の方は50%前後、スポーツ愛好家は60%前後を目安にするとよいでしょう。慣れないうちは低めの強度から始め、徐々に上げていくのが安全です。
なお、運動強度を求める方法には、安静時心拍数を考慮しない「最大心拍数の○○%」という単純な決め方(ゼロ・トゥ・ピーク法などと呼ばれます)もあります。しかし、この方法は安静時心拍数の個人差を反映しないため、一人ひとりに最適化された強度とはいえません。冒頭で述べたとおり、有酸素運動を効果的に行うには個人に適した運動強度が必要です。その意味で、安静時心拍数を考慮するカルボーネン法は、より個人に適した運動強度を求められる方法といえるでしょう。最近はスマートウォッチなどで運動中の心拍数をリアルタイムに確認できるので、目標心拍数を目安に活用すると便利です。
あわせて、運動時間は1回20〜30分以上、運動頻度は週3回程度から始めるのが、健康づくりの一般的な目安とされています。ただし、心臓に持病がある方、高血圧の方、高齢の方などは、この計算どおりの強度が適さない場合があります。運動を始める前に、必ず医師に相談してください。
まとめ
有酸素運動(エアロビクス)の運動処方では、自分に適した強度・時間・頻度を決めることが大切です。運動強度は心拍数で管理でき、安静時心拍数も考慮する「カルボーネン法」(目標心拍数=(220-年齢-安静時心拍数)×運動強度+安静時心拍数)が個人に適した方法。脂肪燃焼は40〜60%、持久力向上は70〜80%が目安です。時間は20〜30分・週3回程度から。持病のある方は事前に医師へ相談しましょう。
参考文献・出典
- カラダロジック「目標心拍数の計算ツール【カルボーネン法とHRmax法】」(計算式・安静時心拍数を考慮)https://karadalogic.com/4290/
- Tarzan Web(ストレングス学園)「トレーニングの指標となる心拍数」(予備心拍数HRR・運動強度別の目安)https://tarzanweb.jp/post-259306
- エール神経リハビリセンター「心臓に疾患がある人の運動負荷の決め方」(カルボーネン法・高齢者や心疾患のある方への配慮)https://www.aile-reha.com/archives/2298
※本記事は一般的な健康・運動情報です。心疾患・高血圧などの持病がある方、高齢の方、体調に不安のある方は、運動を始める前に医師にご相談ください。




