風邪にかかりにくくする抵抗力のある身体を作るためには

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一般に運動を行えば行うほど健康になると思われがちですが、運動強度や量などが過剰になりすぎてしまうと却って健康を害してしまう恐れがあります。

運動は広義の意味では一種の【ストレス】です。ストレスが適度であれば身体がそれに対して適応しようとしますし、適度でなければストレスに対応することができず、やがて身体そのものに大きな負担を掛けることにもなります。

例えば『ランニングをはじめたら身体の調子が段々良くなり、あれほど悩んでいた肥満も解消され、腰の痛みも治まった』というようなことは良く耳にします。
しかし、人によっては『以前より腰の痛みが増してきてしまった』『今まで痛くなかった膝関節や股関節までもが痛むようになってしまった』と訴える人も少なくありません。
このように運動は適度にやれば良薬にもなりますし、過剰になれば毒にもなり得るのです。

使いすぎ症候群、いわゆるオーバー(ユース)トレーニングとは?

運動を行うことで前よりコンディションが悪くなってきてしまったというのは【オーバーワーク】(オーバーユースともいう)の兆候の一つです。
人間の身体の各器官にはストレスに対応する機能があり、外的ストレスが適度であれば各器官の能力を高めることができるのですが、ストレスが過剰だと対応できず、やがてさまざまな障害をきたすことがあります。
これを俗にオーバーワーク、またはオーバーユースといいます。
運動などでみられる障害の多くはこのオーバーワークであることが多く、例えばテニス肘、野球肘、野球肩、ジャンパー膝、ランナー膝などがあります。
一般にストレスの量は、運動強度、時間、頻度によって決まりますが、例え、運動時間が短くても運動強度が高ければ、一瞬のうちにオーバーワークになってしまうことがあります。
以下、オーバーワークの主な兆候を記したいと思います。

  1. 疲労がなかなか回復しない
  2. パフォーマンス(筋力、持久力など)が低下してしまう
  3. 血圧が高くなってきた
  4. 貧血気味で疲れやすい
  5. 生理不順
  6. ケガが多発してしまう
  7. 眠れない
  8. 食欲不振に陥ってしまう
  9. 精神状態が不安定になってしまった

などがあげられます。
この他にも上気道感染症、いわゆる『カゼ症候群』に掛かりやすくなってしまった。
また、一度、かかると治りが悪くなってしまったというのもオーバーワークの兆候の一つです。

体力は行動体力だけではない、身体をストレスから守るには防衛体力も大切

体力は『身体的要素』と『精神的要素』の2つに大別することができ、更に身体的要素は『行動体力』と『防衛体力』の2つに別けることができます。
行動体力とは、筋力、筋持久力、瞬発力、調整力、柔軟性などの行動を起こすための体力のことです。
一般にこれらの体力はあればあるほど望ましいと言われています。
なぜなら、より大きなパフォーマンスを発揮するためにはこれらの能力は高ければ高いほど余裕力がうまれ、何事においても余裕を持って行動することができるからです。
一方、防衛体力とは一般に抵抗力、免疫力とも呼ばれ、体内外からのストレスに対して耐える能力を指し、『温度調整』『精神的ストレスに対する抵抗力』『免疫』などのことを指します。
一般に運動を長期に渡って行うと防衛体力(抵抗力、免疫力)が向上し、ストレスに対して強い身体が養われると言われています。
しかし、運動強度、量、頻度などが過剰になってしまうと却って防衛体力が低下し、いわゆる、上気道感染症(カゼ症候群)に掛かりやすくなってしまい、また、一度感染してしまうと治りにくいという特徴もあります。

カゼ(上気道感染症)の感染と体内免疫力との関係

風邪免疫

抗原となる物質が人間の体内に侵入すると人体はこれに対応してリンパ球(白血球の一種)などの抗体を身体につくろうと働きます。
これにより、再び、同じ抗原が侵入したとしても、この抗体が抗原と結合して抗原を無害なものへと変換させてしまうのです。
このような生体の防衛メカニズムを俗に免疫(めんえき)といいます。
この免疫は大きく非特異的免疫(一次的免疫)と特異的免疫(二次的免疫)の2種類に分類することができ、非特異的免疫(ひ-とくいてきめんえき)は不特定の細菌やウイルスに対する抵抗力のことであり、感染したら即座に対応する免疫能力のことです。
世の中には風邪をひきやすい人とひきにくい人がいますが、この差は非特異的免疫の個人差によるものだと言われています。
一方、特異的免疫(とくいてきめんえき)とはある特定の細菌やウイルスに対する抵抗する能力のことで、感染してから抵抗力を発揮するというものです。
例をあげると、一度、麻疹(はしか)にかかると二度とかからなくなりますがこれは特異的免疫の影響があるからです。
これらの免疫の能力は運動強度や運動量などによっても変化をきたしますが、運動を行うと一過性にこの免疫の能力は高まります。
その後、免疫が高まった状態が運動終了してからも2時間あまり続きますが、更に時間が経過すると免疫能力は一時的に低下していきます。
その後、約20~24時間ほどで元の状態にまで回復します。
このように24時間以内に免疫が回復するような運動を定期的に実施していればしだいに免疫能力は高まって行きます。
しかし、運動強度や運動量が極端に多かったりすると、免疫能力そのものが低下してしまったり、免疫能力が回復するまでの時間もかかるようになってしまいます。
その結果、細菌感染やウイルスなどに侵されるしまう可能性が高くなってしまうのです。
外出先から帰ってきて、すぐに手を洗い、うがいもまめにしているにも関わらず、すぐ風邪をひいてしまう、治りが遅いという人は一度『オーバーワークではないか?』『運動強度や運動量が多すぎるのでは?』と疑う必要があります。
それでは免疫を高める量、運動強度、頻度はどれくらいが適当なのかというと、残念ながら免疫に関する研究自体がまだまだ発展段階にあるために具体的な数値で表すことはできません。
ただ、1つ言えることは何事もほどほどに『過ぎたるは及ばざるがごとし』だということです。

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運営者情報


当サイトの編集長の佐藤伸一(さとうしんいち)です。
フィットネスクラブ、体育施設、大学などでトレーナーとして18年間活動してましたが、約10年前にカイロプラクターとして第二の人生を歩み出しました。
そして2016年4月に第三の人生を歩み出しました。

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