背中のトレーニングを行うと背中ではなく腕の方に刺激が逃げてしまいます。

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Q.背中のトレーニングを行うと背中ではなく腕の方に刺激が逃げてしまいます。

背中に限らず他の部位でもそうなのですが、自分の目でみて、見えない部分(筋肉)を意識しながら行うというのはもともと難しいものです。
ですから背中の筋肉を意識して使えるようになるにはある程度、経験が必要になります。
そのため、初心者の方には『マニュアルコンタクト』という方法を用いることがあります。

マニュアルコンタクトというのは主動筋が収縮する際に第三者が主動筋にコンタクトするという方法です。
この方法を用いることによって意識しにくい筋肉を意識することができ、結果的に主動筋の出力をあげることができるのです。

コンタクトの方法には『さする』、『たたく』、『もむ』、『つまむ』など色々あるようですが、一般に『たたく』という手法を用いることが多いようです。
第三者と書きましたが種目によっては一人でも出来ます。(※ダンベルアームカールなど)
しかし、背中を鍛えるトレーニング種目の場合、当然、一人ではできませんから誰かに行ってもらうと良いと思います。
ただ、一つだけ注意点があります。
使用する部位をつねにコンタクトするのではなく、筋肉が収縮しているときだけコンタクトするということです。
これを誤ると効果的に行えないばかりか、力がかえって入りずらくなってしまいます。

Q.筋肉のつき方に左右差があるのですが大丈夫でしょうか?

人をはじめ多くの動物の体は内臓・心臓などの内臓器官は非対称ですが、その上にある筋肉、骨格、皮膚は見かけ上、正中線に対して左右相称です。
生まれて間もないころには左右対称(シンメトリー)だとは思いますが、その後の行動パターンなどによって非対称になります。
例えば日常生活において利き手、利き足を良く使う、片側だけでモノを噛むなどといったことでシンメトリーはどんどん崩れていくのです。スポーツをやっている方ならこの崩れ方は更に激しいものとなるでしょう。
これはある意味、状況に応じた『適応』といえるのでしょうが、このズレが極端なものになってしまうとかえって怪我をしやすくなったりすることもあります。
例えばトライセップスプッシュダウンという種目があるのですが、この種目を実施する際に順手ではなく逆手でバーを握って行ったとしたら同じ上腕三頭筋でも、内側頭への刺激が強くなり、その発達も内側頭が顕著になります。
また右手と左手で異なる方法で実施しているとしたら更に左右差が大きくあらわれるでしょう。
筋肉のつき方に多少の左右差がある程度ならそれほど気にすることありませんよ。
人は多かれ少なかれ非対称なのですから。
もっとも、一般的にはシンメトリーがとれている方の方が美しいとされているようです。(例えば、モデル、ボディビルなんかの世界ではシンメトリーがとれている方が評価は高いです)

Q.ここ最近、腕やお腹のトレーニングをしても筋肉痛を感じなくなってしまいました。

ひょっとしたら、今、実施しているトレーニング方法では、もはや上腕三頭筋や腹直筋を刺激することができなくなってしまっているのかもしれませんね。
このような状況に陥った場合はトレーニング種目、強度、トレーニング方法などに変化を加えてみてください。
例えばコンパウンドセット法などを行ってみるのも良いかもしれません。
コンパウンドセットは同じ筋群を動員する種目を休みなく連続して行うトレーニング方法のことです(例:同じ上腕二頭筋の種目である、バーベルカールとハンマーカールを連続して行う)
しかし、これらの方法を行う前にいくつか確認してほしいことがあります。
トレーニングを行うときに扱うウエイトが適切であったか?
フルストレッチ、フルコントラクションを心がけているか?
セット間のインターバルが適切であったか?
チーティングを多様していないか?
トレーニング動作のスピードが適切であったか?
です。
今まで色々な方のトレーニングを見ている限り、効果が無いといっているほとんどが①~⑤ができていない傾向にあるからです。
特に③④⑤ですね。
③上腕三頭筋や腹部の筋肉は大きい筋肉群に比べ休息時間は短めに設定しなければなりません。
④チーティングを多用すると筋肉に十分な刺激を与えることはできません。
⑤スピードリフトでは使用する筋肉に刺激を与えることはできません。
また、知らず知らずのうちに自分の腕でテコを作ってしまっている方が多いようです。
例えばカールベンチを使用してプリチャーカールを行う際、肩をすくみ上げて(カールベンチと脇の間隔があくということ)行っている人が多いですが、これではテコの原理で高重量があがるようにはなりますが、上腕二頭筋に対して負荷があまりかからなくなってしまいます。

Q.リフティングベルトをあまり使いすぎてはいけないといわれたのですが….

リフティングベルトはもともと腹圧を助け腰部をケガから守るためのベルトです。
ベント・オーバーローイング、デッドリフト、ミリタリープレスなど腰部に負担の掛かりやすい種目を行うときによく用いるのですが、多用しすぎてしまうと腹部や背部といった体幹部の筋肉が養われないまま上半身や下半身の筋力が強くなってしまうということになりかねません。
ここでいう多様とは、トレーニング中、終始リフティングベルトを身につけているということです。
腰部への痛みがある場合はしょうがないとは思いますが、軽度~中度の強度であれば極力リフティングベルトを着用せずにトレーニングを行った方が良いと思います。

Q.黒人のバスケットボール選手のような全体的にシャープなふくらはぎの筋肉を付けたいのですが….

俗にふくらはぎと呼ばれる部分には下腿三頭筋と呼ばれる筋肉があります。
下腿三頭筋は強大な筋で、浅層の腓腹筋と深層にある平たいヒラメ筋とからなりたっています。
ご存知かもしれませんが、筋線維には大きく3種類あります。
ST線維、FOG線維、FT線維です。
これらの筋線維は同じ筋線維でも性質が異なります。
ST線維(赤筋、遅筋ともいう)は収縮反応は遅く、小さな収縮しかできませんがその反応時間は長いという性質を持っています。
FT線維(白筋、速筋ともいう)は赤筋とは対称的に収縮反応は速く、大きな力で収縮しますが、その反応時間は極めて短いという性質を持っています。
FOG線維はこれら二つの筋線維のほぼ中間的な性質を持っています。
これらの性質の異なる筋線維が筋肉の中にちりばめられているのです。
しかし、それらの割合は筋肉の場所によっても違いますし、人によっても異なります。
例えば、ST線維の多い両親の間に生まれた子供の筋線維はST線維が多いのです。
ですから、その方がいくらウエイトトレーニングを行ったとしても限界があるのです。
悲しい事実なのですが、実施して筋肉が付きやすいか付きにくいかというのは先天的に決まっているのです。(日本人は黒人に比べて速筋線維の占めている割合が少ないのです)
このような理由により、日本人であるあなたがが黒人のようなカーフ(ふくらはぎ)を持つことははっきりいって不可能なのです。
...ですが、少しでも近づけていくことは可能だと思いますよ。
同じふくらはぎでも浅層の腓腹筋は速筋線維が占め、深層にあるヒラメ筋は遅筋線維が占めているといわれています。
つまりふくらはぎのうち、どちらを鍛えるかによっても鍛える方法や重量が異なってくるのです。
さきにも述べたように腓腹筋は速筋線維が占めているので、そこを鍛えるには高重量で低回数行うと良いと思います。(速筋線維は筋線維の中でも肥大しやすい筋線維です。速筋線維を効率良く肥大させるには最低でも最大筋力の75%は用いた方が良いといわれています)
そして、そこを効率よく鍛えるにはドンキーカーフレイズやスタンディングカーフレイズなどといったトレーニング種目を行うと良いと思います。
そしてヒラメ筋なのですが、ヒラメ筋は遅筋線維で占めているので、低重量で高回数行うというと良いと思います。
そして、そこを効率よく鍛えるにはシーテッドカーフレイズを行うと良いと思います。

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運営者情報


当サイトの編集長の佐藤伸一(さとうしんいち)です。
都内でトレーナーとして約20年活動し、その後、カイロプラクターとして約10年活動していました。
現在はフリーランスで活動していて主に健康や運動に関する情報を発信しています。

公式サイト:
https://shinichi-sato.info/

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